2025.10.9
当社が2024年に施工させていただいた「NISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)」を含む、[ハレまち通り・下石井公園周辺地区]が「令和7年度 都市景観大賞」(主催:国土交通省)の優秀賞を受賞しました!
微力ながら、岡山のまちづくり、良い景観づくりに貢献できていること、うれしく思います。
都市景観大賞(都市空間部門)とは
都市景観大賞は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として、国土交通省「都市景観の日」実行委員会が表彰しています。
「都市空間部門」は、良好な都市景観を生み出す優れた事例を選定し、その実現に貢献した関係者を顕彰し、広く一般に公開することにより、より良い都市景観の形成を目指すものです。
ハレまち通り・下石井公園周辺地区の概要
対象地区は、岡山市の中心市街地の2つの中心である「岡山駅前周辺エリア」と「旧城下町エリア」を繋ぐ地域であり、車中心から人中心の歩いて楽しいまちづくりへの転換により、都市の賑わいと魅力創出のコアとなっている。
両エリアを結ぶ重要な歩行者軸である「ハレまち通り」は、街路空間再編や街路樹・サイン類の一新により豊かな歩行空間を形成したことで、沿道には新規出店が進むとともに、歩道の一部を活用できる仕組みを沿道事業者や協議会が活用し、オープンカフェやマルシェ等により岡山の豊かな暮らしを表現する魅力的な都心景観を創出している。
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併せて、ハレまち通りと西川緑道公園の交点に近い「下石井公園」は天然芝生化等の再整備や活用ルールの整備を行ったことで、まちなかの貴重なオープンスペースとして市民が憩う風景が日常となるとともに、活用団体等の活躍により多くのイベントや活動に利用され地域の賑わいを表出している。
これらの官民の動きは沿道店舗や活動へと波及し、直近では、緑豊かな景観と調和した複合商業施設「NISHIGAWA TERRACE」オープンや、西川緑道公園で活動する「西川パフォーマー」の認定団体数の増加といった、広がりと連鎖を生み出している。
審査講評
岡山は水と気候に恵まれ古くは吉備の時代から地域の中心を担ってきた。今もその長い歴史の一端を覗かせる岡山城周辺は城下町の名残を存分に感じさせてくれる。この歴史文化と駅周辺の2つのエリアが現在の中心市街地の核を形成している。
当地区はそれらをつなぐ都市軸として、ウォーカブルシティを旗印に歩いて楽しい街づくりを推進してきた。ハレまち通りは車中心の道路から人が主役の道づくりを目指し度重なる社会実験を行い、2車線一方通行から1車線一方通行を実現した。それによって得られた広幅員の歩道と沿道では魅力創出の仕掛けが繰り返し行われ街に人が溢れた。直交する西川緑道公園は満々と水を湛える用水路を軸に50年前からウォーカブルな環境を謳い、そこで開催されるパフォーマンス事業は市民活動を活性化させてきた。
近年では沿道に良質な商業施設が誕生するなど今後に期待がもてる。西川を南に下った一角に位置する下石井公園は大きな天然芝の広場を有する公園へとリニューアルされ、年間を通じて頻繁にイベントを行うなど多くの市民が集うきっかけをつくった。これら3つのゾーンが連携することで街に回遊性が生まれ、周辺への波及効果も見えてきており、官民が共に手を携え獲得した成果は大いに評価されるものである。
NISHIGAWA TERRACE
「NISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)」は、岡山市西川緑道沿いの緑豊かなエリアに位置する、サステナビリティと循環をコンセプトにした複合施設です。
豊かな水と緑に恵まれた西川の景観に調和し、街の中でありながら森を身近に感じることができる木構造を採用した建物。
水と緑と資源の循環の中で、人々が楽しめる新しい環境づくりを目指しています。施設内の庭・屋上では、ハーブやスパイス、果樹など食べることのできる植物を栽培・管理し(エディブルガーデン)、施設内で利用しています。
瀬戸内をはじめとする各地の豊かな食をお楽しみいただける飲食店が軒を連ねていますので、ぜひ訪れてみてください。
■ NISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)
事業主: 有限会社 ティーハウス
意匠設計: ⽵下和宏建築設計事務所
構造設計: 株式会社 ⽊下洋介構造計画
ランドスケープ:ソイルデザイン
施⼯: 株式会社 ミナモト建築⼯房
造園施⼯: ストームウォータージャパン