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田んぼから街へ 湊から始まるストーリー②
初めてお伺いしたのは昨年の10月初旬のこと。
青々とした田んぼの風景が一面に広がっていました。
現在は、田んぼですが、ここの場所はその昔はなんだったのでしょうね…
土地には歴史があり、地名にもその土地に由来した名前がついていたりすることも多く「湊・みなと」と言う地名から推測すると海だったのかもしれません。
昔はここの前を流れている川には船が行き来していて船着き場があった…
そう話されるのは長い間この土地で農業を営まれている地主さん。
お話を聞いていると当時の光景が目に浮かんできます。
長くこの土地で農業を営んでいると「生きていること」を感じると。
ある時、稲刈りの時に親子のすずめが田んぼに来ていて、
ふとした拍子にそのすずめのこどもが何かにつまずき転んだ。
こんな何げない光景を目にして
「すずめも生きてるんだなあ~」と思ったと話されました。
自分達も生きている限りは農業の営みを続けていきます。その暮らしというものは、自然と農作物中心の生活。天気は重要であり、今でこそ週間天気予報で容易に予測がつきます、昔は湿気から雨を感じ取りるなど自然と対話しながら田んぼが営まれ、そこには農家の知恵というものがありました。
また、稲刈り時期には、個々が行うのではなくこの辺りの地域全体で自然と助け合う、「向こう三軒両隣」の関係性がありました。「向こう三軒両隣」などという言葉は、今はもしかして聞きなれない言葉になってきているのかもしれませんね。この関係性こそ今大切にしていかなければならないものだと感じます。
長い間、営まれてきた田んぼは生活の循環であり、自然と寄り添って生きていくこと、
地域で寄り添うことで、そこから学ぶことは本当に沢山あるのだと思います。
そんなお話をお聞きしながら田んぼを眺めていると、将来ここに住まわれる方々へ、土地に刻まれている歴史や想いを繋いでいきたいと思う気持ちでいっぱいになりました。